熱機関研究室

化石燃料に代わる新時代のエネルギーの実用化を目指して

私たちは、「熱機関・エネルギー・環境」を研究テーマの軸とし従来の化石燃料に代わる代替エネルギーの普及を目指しています。 当研究室は過去、エンジンから排出されるガス中の有害物質に着目し、使用する燃料を改善することによる削減を目標に研究を行ってきました。しかし、近年化石燃料の枯渇や環境問題の影響から石油・石炭に頼らない環境にやさしいエネルギーが注目されています。そこで、私たちは過去に行ってきた研究を活かし水素を生成し燃料として熱機関や燃料電池に利用することや、様々なクリーンなエネルギーの有効利用を目指し研究を行っています。

バイオマス炭化による水素発生

木材や動物性廃棄物などのバイオマスは、火をつけず加熱し炭化させることによって発生するガス中には水素が含まれています。その原理を基に、スギ・イチョウ・サクラなどの身近な木材を炭化させ発生したガス中の水素の割合を比較し、利用に最適な条件を検討しています。

水素の生成

代替燃料としての利用が期待されている水素に着目し、当研究室では効率のよい水素生成方法について,「バイオマスの炭化」「光合成細菌」、「水の電気分解」の三つの方法で研究を行っております。生成した水素を代替エネルギーとして有効利用し普及させることを目的としている。
 



光合成細菌による水素生成

光合成細菌が、光合成を行いバイオマスなどからエネルギーを得て細菌内で不要になったものの処理を行う際に水素が発生する。この機構を基に、家庭や工場から出る生活排水・食品工業排水の有効利用を想定し、米のとぎ汁などを用いて条件を変化させた時の水素生成の割合を比較検討することを目的としています

水の電気分解による水素発生

水の電気分解を行うにあたり、クエン酸や酢酸などの電解質を用いて水素を発生させています。本研究では水素の発生時間および濃度を調べることによりどの電解質が水素の製造に適しているか研究しております。

圧縮空気の利用法

化石燃料を用いない「究極のエコカー」の可能性の一つとして、圧縮空気を作動流体とした自動車への応用を目指して研究を行っております。
 
  

熱電素子による熱電発電

温度差だけで発電することのできる熱電素子を用いて、普段何気なく捨てている『熱』の有効利用を目的としています。私たちは、自動車から発生する排熱を高温部に、冷却水を低温部と想定し研究を行っています。