流体システム工学研究室

水のパワーを効率的に利用してモノを切る!ロハスのための流体技術 − 福島の復興を目指して

ウォータージェット技術とは,3000から4000気圧ほどに圧力を加えた水を小さなノズルから噴出させ,それを材料に衝突させることで切断や穴あけを行う技術です.水に研磨材を混ぜることで,金属やコンクリートなどの硬い材料も加工することができます.加工時に温度の上昇がないことや粉塵の発生がないなど,他の加工方法にない利点があります.当研究室では,ウォータージェット技術,液体が高速で流動する場合にともなう色々な現象を明らかにするための研究を行っています.

CFDを生かして高性能流体機器の研究・開発を行う

近年,コンピューターの著しい発達に伴い,数値シミュレーションは科学研究の主力手段として注目され,従来の理論あるいは実験による手法では対応しきれない課題に威力を発揮することが期待できます.当研究室では,数値シミュレーションの手法を用いて,高速水噴流に伴う流れ現象の解明,ウォータージェット噴流ノズルの最適化,風車・水車など回転式流体機械の最適設計を中心に高性能流体機器の研究・開発に関する研究を展開しています.
キャビテーション噴流の発生

ファンジェットを用いた洗浄技術の研究開発

特殊のノズルを用いて形成される扇形水噴流はファンジェットと呼ばれ,材料表面の洗浄,塗膜と溶射皮膜の剥離,アスベストの除去などの分野で広く用いられています.本研究では,放射線物質の除染を視野に入れて,ファンジェットによる洗浄技術及びファンジェットノズルの研究開発を行っています.
ファンジェット実験装置

マイクロバブルを用いた洗浄技術の研究開発

マイクロバブル(直径100μm以下)の特性を生かして環境にやさしい汚染のない洗浄技術を開発するため,本研究では,マイクロバブルの生成とその制御,さらにマイクロバブルを用いた洗浄技術を研究しています.
 
  
マイクロバブルのイメージ図
 
  
   マイクロバブル実験装置

アブレシブ・サスペンション・ジェットシステムの研究開発

アブレシブ・サスペンション・ジェット(ASJ)は,水と研磨材をあらかじめ混合して形成されたスラリーを高い圧力で噴射する固体と液体の二相噴流であります.ASJは,低い噴射圧力でも非常に高い加工能力を有し,システムの小型・軽量化が可能で,原子炉の解体などの特殊作業に用いられます.本研究では,小型ASJシステムを試作し,ASJによる加工の特性を調べています.
アブレシブ・サスペンション・ジェット(ASJ)システム
鞘付きノズルに通気を行う事で,通常のASJ水中切断と比べて切断深さが向上し,加工に有効なスタンドオフ距離範囲も気中ASJ切断と同程度に拡大する要因を調べることを目的として,通気鞘付きノズルから噴出する水中噴流による流量分布測定を行い,水中ASJ切断結果と比較検討をする.

アブレシブ・インジェクション・ジェットによる加工特性

アブレシブインジェクションジェット(AIJ)とは,超高圧ポンプで圧力を加えた水を高速水噴流として噴射し,研磨材粒子を吸引・加速して固体・気体・液体の三相噴流で各種加工を行うもので,水噴流と比べその加工能力を飛躍的に向上させることができます.本研究では,AIJによる加工について,高速度ビデオを用いてAIJの流動の様相を観察し,AIJのパルセーションなど噴流の特性を研究しています.
アブレシブ・インジェクション・ジェット実験装置
使用ポンプ:油圧駆動の増圧機タイプ超高圧ポンプ
常用最高圧力:343MPa

水中キャビテーション噴流の解析とノズル構造の最適化

水中ウォータージェットの性能を向上させるため,本研究では,流体力学の立場から噴流パラメーターとノズル構造の影響を解明し,性能の良いジェット噴射ノズルの研究開発を行っています.
水中キャビテーション噴流

高速キャビテーション気泡流の数値解析

水中ウォータージェットや流体機械などに発生するキャビテーション現象を精確に捉えるために,気泡・液体の相互作用の評価手法を考案し,高速度キャビテーション気泡流の数値解析法を研究しています.
水中ウォータージェット実験装置