設計研究室

現代社会に求められるロハスなモノづくり

私の研究室ではものづくりを通して機械工学を学びます.福祉機器や工場等での作業環境改善に必要とされる"もの"の具現化をテーマに、調査や設計・製作,性能試験等を行い,一連のものづくりの過程を学びます.その過程において,"ロハス"であることを設計思想として,たとえば高齢者や身体的ハンディをもつ人が,単に楽するための道具ではなく,自らの意思を支援できるような機器を考案し,健やかなる生活をサポートできる研究を行っています.その他にも,ダ・ヴィンチの機械の復元を通して機械要素や機構の基礎を学んだり,機械技術系の職人の業"匠"を工学的に定量化する試みを研究するなど,さまざまな観点からモノづくりの楽しさを学びます.

携帯電話用デュアルファンクションスピーカーの試作的研究

昨今の携帯電話やスマートフォンに用いられているバイブレータは小型モーターによって重心(質量の中心)が剛心(剛性の中心)から離れた位置にある重りを回転させることで振動を発生させている.この方式には医療現場での電磁波発生の問題や本体の小型化,省エネ化の限界がささやかれている.本研究では,小形で消費電力の少ない圧電素子の特徴に着目し,バイブレータ機能とスピーカー機能を併せ持ったデュアルファンクションスピーカーの開発を行った.

バイモルフ形圧電素子を組み込んだ携帯電話

スパイラルクローラーを用いた歩行アシストシステムの開発

本研究は、福祉機器の中でも「歩行」という運動に注目し,容易かつ健康維持効果の期待を持てる歩行器を提案する.一般的に歩行補助機器の目的の一つに挙げられる動的効果には、歩行時における下肢へのモーメント(回転する力)の軽減がある.高齢者や障がい者がより「歩行」という動作をスムーズに行うため,本研究では駆動輪にスパイラルクローラーを用いた電動アシスト歩行器を製作した.
スパイラルクローラー式電動アシスト歩行器

低速域における自動車用スタッドレスタイヤの断面幅の違いと制動距離

スタッドレスタイヤとは、冬季、雪上・氷上での走行に利用される自動車用のタイヤである.しかしその性格として,タイヤの断面幅の違いによって制動距離が大きくなる危険性があると指摘する声もある.そこで我々は,この問題を検証する為に,断面幅が異なるタイヤを用意し,路面状況の違いとABSの有無も含め,制動距離の差を実験的に調べた.
   
制動測定実験

卒業おめでとう!

卒研生の皆さん卒業おめでとうございます.大学生活そして研究室での経験を生かして,社会に羽ばたいて行って下さい.
 
平成23年度設計研究室卒業研究生一同